フジテレビ版「砂の器」視聴。
日時が前後しますがフジテレビ版「砂の器」を視聴しました。
松本清張先生のご遺族の方から「ハンセン病以外の理由をつけることがテレビドラマ放映の条件」と言われているらしい?という噂もききつつ、やはりドラマでは描かれることのなかった病気の描写。
最近もチラッと優生避妊手術?の話題でこの病気が取り上げられたりしましたが、そもそも主人公の中島さん目当てに視聴したであろう若い人、病気のこと知ってんのかな?自分たちのころは社会科で習った気がしますがね。
今回のドラマも親子放浪の理由として、TBS版中居正広さん主演の砂の器と同じく殺人犯の家族ということで虐げられたという理由を持ってきました。
箇条書きにしまして
●警察署の会議室、白ピアノのある英良のおうち、梨沙子のバーの3つの場所で続けて撮ったのを繋げてる感がいなめない
ところどころロケに行ったりしてる映像は挟んではいるものの、基本的に上の3つの場所ばかりだった印象。
「あー、カットしては次のシーン撮ってってやってるんだろうなー」「刑事役エキストラみたいな人たちずーっとこのシーンなんだろうなー」とか余計なところばっかり目に付く。
昔のドラマだってそうそう色んな場所で撮影してる訳でもないはずなんでしょうが、演技の方に集中できるからおんなじ場所でたくさん撮ってるっていうことが気にならない。
要は…演技力の差ってことになるんでしょうか
●別ドラマと思えば東山刑事はちょっと良かったと思う
英良の愛人・梨沙子の勤めるバーに初めて訪れた東山刑事の場面、すごく洒落てました。
今西刑事じゃないじゃん、とは全然思わなくて、疑惑の女 対 見透かしてる刑事の静かな対決のいい雰囲気出てました。
土屋太鳳さんも抑えた演技が上手だったと思います。
土屋さん、出たての頃はクールキャラだったそうで同級生の俳優さんに「その喋り方なに?」という感じで過去暴露されていたようですが、見てる方も今の作り声の媚媚路線は無理があるってお見通しなので、クールな落ち着いた喋りに戻したらいいと思うんですが。
東山さん⇒棒っぽいような感じですが雰囲気が上手い時もあり。
部下の野村さん⇒ご自身は炎上キャラでバラエティの様子とか見ていると尖っていて全然好きではないですが、演技はなかなか良かった。普通な感じが出来るんですね。キャラが嫌いでしたが演技は作品によってちゃんと変えられる人なのかな?ちょっと他の作品での演技も興味湧きました。
中島さんはごめん…
●柄本明さん勿体ない
大物俳優さん持ってきたい。で、柄本明さん、と思ったんでしょうが、とにかく勿体ない使われ方で残念。
TBS版は大好きな原田芳雄さんに見所多数でした。閉鎖的な村での差別、被せられていた渡辺謙さんの操作報告を兼ねたナレーションにも「もともと本浦家はこのダムの件以前からも何らかの事情で村で差別の対象とされていたのではないか」と言わせましたが、その「事情」として原作の病気や、職、生まれの差別など昔からある『色々な差別』を想像させる作りになっていました。ちょっと強引な説明ですが上手い持ってき方。
1年の放浪の旅も再現(すごい)、出頭のあの笑顔、渡辺謙刑事が訪問した際の「知らん」のやり取り。
原田芳雄さんのために作った部分がガッツリありました。
今回、
息子が罪を犯して、非難してきた過激な近所住民を正当防衛で殺めてしまった。
うーん……
息子が未成年殺人を犯して非難の目に晒されている様子は、おじいさん感と相まって何とも可哀想。柄本さん…っ!ってなりました。
でも、正当防衛のところは放浪させないといけないっていうこじつけ感があって、展開がTBSの足元にも及びませんでした。
あのままあまりにも世間の目が厳しくて転居を余儀なくされたということにしたほうが良かったかも。
そして最後、東山刑事の訪問の際の「知らん」のやり取り、ネットでも書いてる人がいましたが、お顔の表情が映画のオマージュだった感があります。老人だからってあんなに顔と口歪めないと思うんです。
映画では加藤 嘉さんがお父さん役でしたが、あの御病気の後遺症の感じ。
制作発表のHPのコメントでは1974年の映画版に大感動されたと語っていたので、分かっててそれをぶち込んできた感あります。
全体的にちょっとうーーーん…な出来だったかな。
「白い巨塔」は……どうかな…出演者微妙だけど