「砂の器」フジテレビ。
松本清張さん有名どころは以前読みました。あの時代ならではの泥臭さというか「THE 社会」というかなんかそんな雰囲気。
※ウィキにネタバレ丸出しなので配慮無く書いています。
「点と線」が好きです。鳥飼刑事が好きです。ひたすらカッコイイ。薄っぺらい背広の感じのおじさんのカッコよさ。
電車、というか当時は汽車になりますか、あの昭和のプラットホームの感じが凄く浮かびます。で、最後ドキッとしました。おまえが…っていうね。
「ゼロの焦点」も女性が主人公。当時としては結構画期的だったんじゃないかなーと思ったりします。ごくごく普通の女性が主人公なもんで、協力者が手にかけられた時すごく不安になりました。これ最後、プライドとか誇りとかそういうのでアレだったんですかね。時代的に仕方なかった、でそのままいるのは面子が許さなかったんでしょうか。
「霧の旗」は原作も確か読んだんですけど、沢山作られたドラマのインパクトがスゴくてそっちばっかり覚えています。山口百恵さんまで桐子役やってたんですね。
安田成美さんのやつがすごい覚えています。田舎っぺっぽかったのに擦れてね。結構再放送したのかな…。あと、星野真里さんのは、「星野真里さんはメンヘラっぽくて怖いから先生優しくしとけよーっ」て思って相武紗季さんは「そのうち東京に染まっちゃいそうな桐子だな」とか思ってちょっと見た記憶が。
堀北真希さんまで桐子役だったそうなんですが、堀北さんピッタリ。でもそれは記憶にないんです。
確か作品によって弁護士先生の性格?というか桐子への態度が若干変えられていて、「はめられて破滅させられて可哀想だな…」って思わせる先生もいたような。
そして「砂の器」
何回も読んで何回もすごいなと思ったやつです。もう雑多な昭和感たまらんです。薄い背広感の刑事たちたまらんです。
あの時代の背景でないとあの雑多感出ないですよね、登場人物も殺される理由も殺され方も背景ありきというか。
あと方言の謎。たまらんです。
そしてあの親子。
団体の方から偏見だと抗議があることを恐れて、より大衆がふれるテレビドラマ映像化の際は違う設定にしていたり、時代設定自体を変えて状況を変えていたりと試行錯誤しているようですが、ガーンとインパクトがあり揺さぶられるのはやはり原作の設定です。
しっかり向き合ったのは1974年の映画版。パッケージ写真、もうこれだけでグッとくる。見ると泣けます。当時の病気の扱いを知っているからこそあの放浪の画の無念さというか辛さとか苦しさというかとにかくそういうのがグワ――――っと迫ってきます。
これはウィキにも書いてありますが、上映にあたり団体から抗議がありましたが、偏見をなくすために上映したい、と言ったそうで、「そりゃそうだよ」と思いました。
病気を恐れさせる意図はないし、偏見持たせる意図もない、当時はこういう時代でこういう考え方をされていて不憫だった、間違っていた。という注釈があれば、原作の設定は使ったっていいじゃない。強い動機になりえたってことはそれだけ過酷だったんだということなんだから。
こちらに限らずいろんな団体は何かあると内心納得していても形として抗議しないと駄目なシステムなんですかね。きっと映画見た団体の方にも不満持ってない方もいたはずだけどな。
当時の扱いを知ってもらい意識を改めてもらうにはピッタリなのに…。
知らなかったんですがこちらもかなり映像化されてまして、不朽の名作の1974年版と中居正広さん主演のTBSドラマのやつだけチラッと見ました。トリックは災害に変えられてたような。
にしても他にもいろんな人がやってたんですね。
そして今回、東山紀之さん中島健人さん主演でフジテレビが放送すると。
ほー。
ドラマ版はハンセン病使わないよな…
千代吉役は柄本明さん。ピッタリ!!!放浪ピッタリ。背景が原作通りならさらにピッタリ。あの切なさ絶対出せる。
けど、病気が理由じゃないのになりそうだなー…
中島健人さんはどうなんですかね。何気に闇深そうなんで影は出せそうですけど表現力や演技力はあるのか。
とにかく見てみようと思いますが、制作の発表と放送日時を見ると、どうも「犬神家の一族」と間隔が似てるので、また3日で撮影したとかそんなんだとこの作品の場合は厳しいんじゃないか?と思います。